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詰将棋作家の見た世界
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職業:
怪しい金融業
趣味:
詰将棋創作 音楽演奏
自己紹介:
昭和31年9月、東京生まれ。
詰将棋作家集団「般若一族」の生き残り。
詰将棋創作以外に、作曲(約100曲くらい)音楽演奏(ベース)。
人間についても、自閉的観点からいろいろ考えている。
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★2007/12/24 (Mon)
生きていると言うことは一体なんだろう?
抗がん剤の治療で、苦しい毎日を送っている人々がいる。

夜中に何度も下痢で目が覚め、間に合わないで家族に迷惑のかけっぱなし・・・。
口内炎がひどくて、ものが食べれないどころか、息を吸うだけで痛い。
嘔吐感が強く、食事が入らない。
脱力感がひどくて、毎日ほとんど寝たきりの状態になっている。

こうしてQOL(Quality Of Life)生活の質を奪われてまで、延命することの意味が問われる。

ほとんどの末期がんの患者さんが思うことだろうが、何とか延命に延命を重ねて、夢のような治療法が確立されて、晴れてガンから解放されて、元の生活に戻る、という「ものがたり」を描くだろう。

そのためには何が必要なのか?

がん患者の話でよく聞くのは、余命を超えて何年も生きた人の話だ。
奇跡と言われ、その話にサプリメントが効いたとか、温泉が良かったとか、そういう話には枚挙に暇がない。

しかし、実際に余命を超えて生きた人、あるいは生きている人はたくさんいて、良くみれば奇跡でもなんでもなく、低いではあろうが、確実にそういう人が出現する割合が存在する。

そういう人々は、そうでない人々とどこが異なるのか?

(続く)
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★2007/12/23 (Sun)
ガン宣告を受けてから、いろいろ迷い、あえぎ、奮い立ち、様々な紆余曲折を経て、今は平穏な気持ちと、この病魔と闘う気持ちとが揃った。

今日からは少し詰将棋を離れて、わたくしが今まで生きてきてどんなことをどんな風に感じてきたかを、ジャンルを問わずに語っていきたい。

まず、このガンの治療だが、わたくしが受けている治療は「標準治療」である。
様々な研究の下に、この治療法がおそらく一番延命効果があるとされている。
もちろん、そこに医療従事者の治ってほしいと言う気持ちがこめられているに違いないと思っていた。

しかし事実はそうではない。
まるでベルトコンベアーに乗せられたかのように、

大腸癌⇒ステージ4⇒forfox+アバスチン⇒folofri+アバスチン・・・・

それでダメならおしまい。


確かに、そこでの治療はそれが最善とされていて、数年前ならわたくしのような患者は数ヶ月で、ご臨終だったそうだ。
そこへ様々な新薬や新たな治療法の組み合わせが見つかり、20ヶ月もの延命が可能になったとのこと。

しかし、その延命たるや、抗がん剤の副作用に苦しみながらのもので、とても通常の生活が送れる状態ではないようだ。
もちろん、人によっては軽く済む場合もあるようだが。

わたくしが言いたいのは、人それぞれであるということ。
わたくしに向けた治療法や薬の投与があっていいはずなのだ。
いわば、オーダーメードの治療をして欲しいのだ。
ガンではなく、わたくし自身を診てほしいのだ。

これは何もガン治療に限ったことではない。

風邪と診断するや否や、いつも決まりきった薬の処方しか出さない医師もいた。
こちらの状態をよーく聞いて、いろいろ薬の出し方を工夫する医師もいた。

考えさせられる話で、風邪とは違ってことは延命などと言う物騒な話なのだ。

(続く)
★2007/10/09 (Tue)









<角打診問題>


詰将棋パラダイス大学に投稿採用された作品。
打診合は珍しくないが、打診する駒はたいてい歩だ。
角というのはあまり例がない。











<第1図>


初手から64飛の消去とは、力が入っているではないか。

これは後で角打診で入手した角を、変化で73から打つのに、64飛が邪魔しているから。
いわば、変化伏線という代物だ。
この変化については後述する。

しかも、64飛⇒66飛を同桂と取らないのだから、余計にややこしい。
では、66飛に同桂は?
それは結局作意と同じように進めて詰むのだが、2手短くなるから×。
そこで、17玉ともぐった手に、ドカンと16飛。











<第2図>


その16飛を同銀と取ったらどうなるか、それが第2図以降の手順だ。
18歩と打って、26玉に、25とから清算して、27龍まで。











<第3図>


そこで、第3図から16同銀ではなく、16同玉と取って、出題図から見事原型のまま64飛が消えた。

そして、36龍が続く強手。
ここで、36龍は何のため?
なぜ、52角不成(成は詰まない)ではダメなのだろうか?











<第4図>


第4図は、いきなりその52へ角を不成で入ったところ。
これには、25歩合とする。
続けて、25同角不成、26玉に、36龍と迫るが、ヒョイと17玉かわされこれは詰まない。











<第5図>


そこで、第5図からの手順のように、36龍、同桂の交換を入れておく。
ちなみに、その交換を入れた後に、52角不成ではなく、52角成といくのは

25歩合、同馬、17玉で原理図のところで示したような、完全打歩詰になる。











<第6図>


こうやって、36龍、同桂の交換を入れておくと第6図からの手順
52角不成、25歩合、同角不成、26玉、36と(桂を入手)、17玉、29桂まで詰む。











<再掲第6図>


ここで、原理図のおさらいをしてみよう。
原理図は、再掲第6図から、図のように34角中合、同角成、25歩合、同馬、17玉、26角から、清算して25と、16玉に歩を連打して詰んだ。
しかしこの図では、25とに対して、37玉とこちらが空いているので詰まない。

なお、52角不成に26玉と逃げるのは36と~25角成~29桂で詰む。











<再掲第6図>


では先の手順はどこが行けなかったのかというと、
再掲第6図から、52角不成、34角中合、同角不成!と不成でいくのが肝心。

続いて、17玉ともぐって、18歩をいったん打たせるのも巧妙。
26玉、25と、※16玉に、17歩と突く・・・・











<第7図>


ここで、先の64飛消去の意味が判明する。
※16玉で、37玉(=第7図)は、73角、47玉、56角まで。
でもこの順なら、64飛を消去せずに73角のところ、55角でも同じようだが、
55角には46歩中合があって詰まない。
46歩中合には同角「成」で対抗するための73角であり、そのための64飛消去。











<再掲第6図>


先の手順で、17玉ともぐらずに、26玉とかわすと、25と、16玉に、17と打つ順になって、2手短くなる。
こういうところが、落とし穴になっている、危ない危ない・・・・











<第8図>


第8図から、17同玉に、35角と打つ。
これに対しては、26歩合が作意。











<第9図>


この35角に、16玉は、26と、17玉、16とまで詰む。
従って、26歩合となる。











<第10図>


26歩合からは、簡単な追いつめで、ただただ王手を掛ければ終わる。
最後は都詰めのオマケ。

どうだろうか?
このくらいの本格中篇と成ると、解き難いし、解説読んでもピンと来ないかもしれない。
でも、般若一族の時に比べて、読んでいる量は圧倒的に少なく、中身も薄い感じがする。
みなさんはどうだろうか


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


ステージ2というのは微妙な位置で、すぐにどうのこうのという心配はないが、もう大丈夫だよというお墨付きが付いているわけでもない。

転移もなく、手術も割合にしやすい部位で、かかっている病院が日本では直腸がんの手術数も成功例も、その後の生存率も高いほうで、全国ランキング一位にもなったことがある。

そういった良い面と、今後決して油断できない緊張感で、多少の戸惑いはある。

まあ、しかしほっと一息と言うのが正直な感想だ。
これから、抗がん剤+開腹手術という少々辛い現実が待っているわけだし、これを克服しなければ、未来はない。

このブログも、般若一族の叛乱も少しお休みになるときがやってくる。
そのときは、待っていてくださいね。
★2007/10/09 (Tue)









<角打診問題>

<図面の使い方は末尾に載せてあります>


昨日の打診問題(その二)で説明した原理図を元に、作った作品。
般若一族以来の復帰第1号作品。

わたくしには、俳句を作るような創作は出来ない。
「味」とか「手ざわり」とかの表現も嫌いで、あくまで論理を楽しむことを第一義としている。
合駒の組み合わせとか、延命手段とか、とにかく解答者にその部分を楽しんでもらおうという志向だ。

実戦型と呼ばれるものも一つあるが、これも捨てるのか重ね打ちするのかという論理構成が主題となっている。
(手数表示の詰将棋パラダイスの「デパート」の投稿したため、誤解者はなかったが、もし違うコーナーだったら誤解者続出だっただろう)

本作も、一つ一つ論理的に作ったもので、中合を丹念に読んでいけば、そうむずかしくはないだろう。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


いよいよ、わたくしの診断が下った。

直腸がん、それも進行がんで、ステージ2。
幸い転移はいまのところ見受けられない。
が、ステージ2というのはステージ0やステージ1などの初期に比べて、それだけ進行しているので、油断はならないとのこと。

1997年~1999年の取ったデータを下に下された5年後の生存率は80%を切る。
まあその中には高齢者もいるのだから、わたくしの場合は実質もっと生存率が高いと考えてよいだろうとのこと。


明日、消化器外科の医師と打ち合わせがあるが、基本的には外科的手術で患部とその周りのリンパを摘出、その後抗がん剤の投与となる予定だ。

まあ、今日明日に深刻な事態に陥るということではなく、これからはがんとともに生きて、生活の質を変え、大切な命の灯火を絶やさぬように心がけることが肝要だ。




★2007/10/09 (Tue)









<打診問題(その二)>

<図面の使い方は末尾に載せてあります>


打診について、おさらいをすると

☆ A=王手に対して、玉方の手段Xがあって、それに対して詰方は「成」で詰ます。

☆ B=王手に対して、玉方の手段Yがあって、それに対して詰方は「不成」で詰ます。


そこで詰方の持つ「成」「不成」を選択できるという切り札を、玉型が妨げるように、先に「打診」する。


☆ 打診Dに対して、「成」なら玉方はYを選ぶ(Yには「不成」が有効だった)

☆ 打診Dに対して、「不成」なら玉方はXを選ぶ(Xには「成」が有効だった)

言ってみれば後出しジャンケンのようなものか・・・











<第1図>


まず、第1図は問題図から、43角成とした局面。
作意は43角不成だが、「成」とどうなるのか?

これには、25歩中合がうまい。
同馬と取るよりなく、17玉ともぐっては、完全な打歩詰。
打開のしようがない。











<第2図>


そこで、第2図は初手43角不成としたところだ。
A=まず、26玉と逃げるのは、25と以下、

1:16玉は、15と、同玉、25角「成」で詰む。
2:17玉も、18歩、26玉、25角「成」で詰む。


もし、これに対して先ほどと同じように、
B=25歩と中合するとどうなるのか?

今度は不成の効果で、25同角不成と再度「不成」でいける。
これに対して、17玉は、18歩(打歩詰にならない)、26玉、36と迄。
また、26玉も、36と、17玉、29桂で詰む。


整理すると、

Aの時には角を「成」で対抗
Bの時には角を「不成」で対抗

こういうときには?
そう打診で、角の「成」「不成」を先に聞けばよいのだ!











<再掲第2図>


そこで、再掲第2図から、まず34歩と打診してみよう。
ここで、角を「不成」なら26玉で(この逃げ方には、角を「成」でいく必要があった)
また、角を「成」なら、25歩中合で(この中合には、角を「不成」でいく必要があった)

ところが今度は事情が違っていた。

なぜなら、詰方が二枚歩を持つと、打歩詰が打開されてしまうからだ

上の再掲第2図の手順を追ってみよう。

43角不成、34歩(打診)、同角成(同角不成は、詰まない)、25歩合で
第3図。











<第3図>


この第3図で、同馬と取ると先のように完全打歩詰(打開できないという意味)
ところがここで、持駒に二枚の歩があるので・・・

17歩、26玉(同玉は、18歩で簡単)、25と、17玉、18歩、26玉、35と・・・
何と詰んでしまった。











<第4図>


打診を歩でするから、歩が二枚になって、打歩詰を打開されてしまう。
そこで、角を打てば!!いいじゃないかというのが、第4図だ。

第4図から、打歩詰には「不成」と考えて、34角不成といけば、
26玉、25と、16玉、15と、同玉、16歩、26玉、15角、35玉・・・・
ヌルヌルとうなぎのように逃げてつかまらない。











<再掲第4図>


再掲第4図、角打診をしたところから、今度は34同角成といこう。
これに25歩合としたところで、第5図。











<第5図>


第5図から、同馬と取り、26で清算して、歩の連打から、銀を打つまで。

どうだろうか、奇想天外な角打診。
これを提唱していたのは、黒田氏だった。
話だけで、図化できなかった、あるいはいつでもできると考えていて、図化しなかった仮想の作品群。

真夜中にそっとわたくしの窓辺にやってきては、まだ見ぬその本当の姿の影を見せては帰っていく・・・・

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


※この図面は、下の矢印などがある場所で、使い方は次の通り
 
 右から順番に

回転(盤面を逆さにする)
縦線が右についていて右方向を指している矢印(最終手まで一気に行く)、
単なる右方向を指している矢印(次の手に行く)
四角(手の解説があるときにここに!マークが入り、それを押すと盤面全体に解説が覆うように出てくる)
単なる左方向を指している矢印(前の手に戻る)
縦線が左についていて左方向を指している矢印(初手まで一気に戻る)、
「GO」この左横に数字を入れて、この「GO」を押すと、その手数の局面に飛ぶ

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★ ILLUSTRATION BY nyao