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詰将棋作家の見た世界
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首猛夫
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男性
職業:
怪しい金融業
趣味:
詰将棋創作 音楽演奏
自己紹介:
昭和31年9月、東京生まれ。
詰将棋作家集団「般若一族」の生き残り。
詰将棋創作以外に、作曲(約100曲くらい)音楽演奏(ベース)。
人間についても、自閉的観点からいろいろ考えている。
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★2007/10/06 (Sat)









<「ブラック&林浩」応用問題>


長編構想を短編で表すというテーマ。

本作では、26桂と36飛で、22玉と単に逃げたときに、34桂~16飛と16の駒を抜いてしまうのが狙い。

「般若一族の叛乱」の「ブラック&林浩」は龍鋸で遠ざかった龍(79龍)と59香で、49龍をあわよくば抜いてしまおうとする構想と同じだ。











<第1図>


第1図(出題図)。

龍捨ての序奏から、桂、飛と舞台を作る。
36と打った手に、22玉と逃げると・・・











<第2図>

第2図からの手順は、単に22玉と逃げたときのもの。

22玉、34桂、(これで36飛と16銀が直通)13玉、16飛、14合、22銀まで。

では36飛にどうすれば・・・・











<第3図>


ここは、35金がうまい中合。

こんなところで、こういう手が出てしまうと主題がぼけるが、感触は悪くない。

そうして22玉ともぐりこんで手に、

13金!

が、妙手だ。

何でもとにかく玉を引っ張り出そうと言う手。

近藤郷氏に本作を見せたとき、この13金捨てはわずか一秒で見抜かれた。

「こういう手は見逃さないんだよね・・・」
と近藤氏。











<第4図>

そうして、1筋に飛が回ったところで、単に22玉だと、第4図からの手順のように、成香を引くまでの詰み。

そこでまたもや、14へ中合となる。

作意は何とまたもや金だが銀だとどうなる?











<第5図>


15飛に、14銀合は第5図からの手順を見てもらえばわかるように、途中に31銀と言う妙手があって、2手早く詰む。

この変化があったのは、幸運だった。











<第6図>

そこで、14金中合だが結局、飛車が2度の金中合でジグザグに動く面白さが前面に出でてしまった。

まあこれはこれで面白いが。

飛車もさばけずそのままだったにもかかわらず、高評価だったのは狙いが面白かったのだろうか?


  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


昨晩も書いたが、宗教とか、国家とか、民族とか、そういった概念は、それを共通の「ものがたり」として持っている人々の間にのみ、有効な概念である。

もちろん、国家などは現実に機能していて、とくにわたくしたちはこの日本にいて「国家」を強く意識することは少ないが、ひとたび海外に赴くと、「日本人」である自分を強く意識させられる場面が幾多となく出てくる。

そういった現実を踏まえてなお、わたくしは「国家」というまぼろしはそれを信じている人々にのみ有効だと思えるのである。

帰化の問題や、国際結婚、移民等々、こういった普段を意識しないところにある諸問題が出てくると、「国家」とは何かと思うのである。

もちろん「宗教」「民族」などの問題も同様に考えさせられる。

例えば、宇宙人がやってきて、地球に説明を求めた時、「国家」をどう説明するのだろうか?

そんなものが必要だったのはなぜだろうか?
良く考えてほしい。

結局は、おのれのアイデンティティや権力、身の保障、武力衝突の果て・・・。
様々なそして「ろくでもない理由」によって「国家」は捏造され今日に至っているのではなかろうか。

それをさも由緒あるもののように「歴史」を語り、「愛国心」などを刷り込んだりするのも、結局は「国家」を捏造したのと変わらない行為だ。

そんな「歴史」や「愛国心」などを語らないわたくしだってこの「日本」という国は中々ステキなところを持っていると思う。

同時に、排水を垂れ流し、自然を壊し、醜い権力闘争を繰り広げ、肉親を殺す、醜い面も持ち合わせている。

清濁合わせて、流れ行くのは人の歴史の常だろう。

しかしそれに様々な意味を賦与し、概念を謳い上げるこの不思議な人間に戸惑いを覚えるのは、このわたくしだけなのだろうか?
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★2007/10/05 (Fri)









<「ブラック&林浩」応用問題>


「般若一族の叛乱」の「ブラック&林浩」作品を短編化したもの。

実は小林敏樹さんがずいぶん前に『この「ブラック&林浩」の構想で短編が作れないかと考えている』と話していたので、わたくしは早速それで一局作って投稿した。

しかし、誰もそれには気がつかなかったようだ。

詰パラの短大へ投稿採用されその月の首位だったが、むしろ中合やら、歩頭の金捨てやらに、解答者の目が行ってしまったようだ。

そういう意味では作者の狙いとは裏腹な創り方をしてしまった作品と言えるだろう。

わたくしは、短編中篇を作るときでも必ず構想を練る。
ただ流れて詰む作品や、手筋物はほとんど作らない。

ただその狙いが余りに地味だったりすると、その趣旨が解答者に伝わらないこともあった。
演出も難しいが、主題の選び方も大切だ。

 
  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


死が間近に感じられるようになって、わたくしには一つの発見があった。

やはり、ほとんどの人々が「ものがたり」の中で生きていると言うことだ。

本能という生物の設計図が壊れた人間には、その生を獲得維持するためにあらたな「ものがたり」が必要なのだ。

そしてその「ものがたり」が異なる者たちを脅威としてあるいは畏怖するものとして、退け、排他し、虐殺し、抹殺し、封印しようと躍起になってきたのが、人類の争いの歴史だ。

宗教と言うものがたり、国家と言うものがたり、民族と言うものがたり。

どのものがたりも、結局は他者を受け入れられず、いつの時代もどこの場所でも戦争や紛争、あるいは差別、虐待等々が行われ続いている。

人類がこの本能に取って代わった「ものがたり」をやめない限り、争いもまた止むことはないだろう。
★2007/10/04 (Thu)









<移動中合問題>

この作品は、将棋センターに勤めている頃に作ったもの。
小学生の坊やに、詰将棋ってどうやったら作れるの?
と聞かれ、こんな風に作るんだと言って、適当に並べたら出来上がっていた。
その原型はこの作品より4手進んだ局面だった。
4手逆算したのだが、投稿時にはそのまま出してしまった。
推敲が如何に大切かを身をもって感じた作品。











<第1図>

普通に考えると第1図からの手順になる。
銀を打って、捨てて、玉を55角の射程に入れて、
24龍が妙手だ。
さあ、皆さんはここでどうする。










<第2図>

44や33へ合駒を打つのは、13龍と取られて簡単。
かといって、22銀引くのも、13龍で無効。
従って、12玉とかわして、11角成捨てから、13龍の筋が実現して詰上がる・・・・










<再掲第1図>

しかし良く見てほしい。
再掲第1図から、44桂跳という移動中合が飛び出る。
さあこの手の狙いは?










<第4図>

44桂跳に対して、同角と取る。
これに対して同飛は13龍~12銀~23龍で簡単なので、やはりこれを取らずに12玉とかわす。
以下先ほどと同じように進んで、22銀に32玉と桂馬のいたところに逃げ出すのが狙い。










<第5図>

しかし、もらった桂馬を24に打ち捨て、31銀成と逆モーションに言って詰上がる。


   ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


明日は、腹部エコーで腎臓、胆のう、肝臓などに転移がないか調べる。
それと、大腸バリウムの検査。
従って、まずくて低カロリーの検査食の一日だった。

今朝のニュースで、カプセルを飲んで、そのカプセルが消化器系の中を極小カメラで撮影すると言う画期的な手法がわずか2万円ちょっとで出来ると報じていた。

辛い内視鏡検査から開放される日がついにやってきた。
しかし、わたくしには間に合わなかったようだ。

麻酔が効いて、痛くも何ともないといいんだが。

そういえば、今日詰パラの水上社長に病気のことを伝えたら、パソコン奮戦記はお休みして治療に専念してくださいと言われた。
やさしいよね、ありがたい言葉だった。
早く治して、全国のファン(そんなものおるのか!)のためにまた書かなきゃ!
★2007/10/03 (Wed)









<角中合問題>

おとといの作品の解説。











<第1図>

第1図から、41角(正解)に対して、22玉と逃げるのは動く将棋盤を進めていただくと分かる。
22玉以下、32歩成、13玉以下詰む。

従って第1図からは41角に対して32角中合が正解。
32角中合以外の中合は、同角成、13玉で、取った合駒を打って詰む。
32角中合を同角成、13玉の時、31角は、22歩合で打歩詰。

さあここで、ちょっと詰将棋慣れの人は、打歩詰に不成とばかりに、41角、32角中合、に「32同角不成」とする。
これが下の第2図。










<第2図>

ご覧の通り、詰まない。
では?・・・・・

そう、13歩が邪魔駒なんだよね。
そこで、第3図をご覧くださいな。










<第3図>

初手から41角、32角中合、「32同角成」、13玉、23馬、同玉にて、第4図。

あっさり成って、すぐに捨てて、原型に戻すのが妙味ある順。
否、原型から13歩が消えた・・・。










<第4図>

第4図から、再度の41角にやはり32角中合、そして今度こそ「32角不成」、22玉に「13角」が打てるのが先の13歩消去のおかげ。










<第5図>

あとは、第5図からのように、歩を打って、二枚角も消えての詰上がり。
小品ながら、首猛夫の世界と言える。
(ちょっぴり自画自賛かな)


   ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


今日は直腸の内視鏡検査で組織を採取。
この前の先生と違って、すごく痛かった。
おなかが痛くてトイレに駆け込む寸前のあの苦しさが続いた。
まあ、死ぬようなことはないのだが、なにぶん大げさ野郎なので、わたくしは。

絶食や、下剤が慣れっこになっている自分に驚き。

それにしても、死神が少し近づいているかもしれないと言うのに、怖くもなんともない。
何でだろうか?
無宗教、無心論者、臆病で、気が小さいわたくしが、ひょっとしたらあと数ヶ月かもしれないと言うのに(もちろん、80、90まで生きるかもしれないが)何ら恐怖を感じないのはうまく説明できない。

昔友人が、「あんたは関係性のうちで死ねない」と言ったことがある。
根本的に人と手をつながない性質を感じると言うのだ。
そういえば、わたくしには親しい人がほとんどいない。
人間は結構面倒なのかな、自分も含めて。
まあ残り時間が少なかったら、その分楽しく生きなくっちゃ損だよね。
★2007/10/02 (Tue)











<第1図>




将棋センターに勤務していた頃、例によって解答者を落とし穴に入れる作品を考えていた時の作品。
運良く、並べたらほぼ出来上がっていた作品。
投稿時は、11玉型で持駒の銀はなかった。

出来上がってからの推敲が如何に大切かと言う一例だろう。


  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


さて、明日は大腸の組織を内視鏡検査を兼ねて取ることになっている。
最初に内視鏡検査を受けたのが9月21日だった。
そのときに組織をとってくれればよかったのだが、なぜか別の場所の医院のその内視鏡専門医は取らなかった・・・・。

そうして、しあさってが、今度は大腸のバリウム検査と腹部エコーと続く。
すでに先週CTスキャンは取っているので、今週で大体のことがわかるはず。
運命の宣告が10月9日に下される。

不思議に思うのは、わたくし自身が割合に平穏に毎日を過ごしていることだ。
痛みと、排便に苦痛を感じるも、それ以外には毎日仕事をしているし、普段と変わらぬ生活をしている。
しかし、わたくしは治療さえまったく始まっていないガン患者なんだと思うと、変な感じだ。

死に関していえば、

1:いずれは必ず来るだろうが、
2:今までは遠くに存在してよく見えなかったものが
3:割とはっきり見えるようになってきた。

そんな感じだ。
まあ、あんまり早く来てもらっても嬉しくともなんともないのだが。

取り乱すことも、大泣きすることもない。
静かに確実に誰の頭上にもやってくる、この死のものがたり。
わたくしには、この死のものがたりも生のものがたりもどちらも余りうまく描けないから、死の恐怖を感じないのだろうか?



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★ ILLUSTRATION BY nyao