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詰将棋作家の見た世界
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HN:
首猛夫
性別:
男性
職業:
怪しい金融業
趣味:
詰将棋創作 音楽演奏
自己紹介:
昭和31年9月、東京生まれ。
詰将棋作家集団「般若一族」の生き残り。
詰将棋創作以外に、作曲(約100曲くらい)音楽演奏(ベース)。
人間についても、自閉的観点からいろいろ考えている。
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★2024/04/25 (Thu)
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★2008/03/25 (Tue)
毎晩のように「ものがたり」の話をしていて恐縮だが、わたくしから見れば、この世の中で起きている殺人やら、戦争やら、汚職・セクハラ・詐欺・泥棒などの犯罪はすべてこの「ものがたり」によって引き起こされているように見える。

人は自分を語る時に必ず、互いの関係性のうちに説明をする。
それが「ものがたり」の正体である。
単純に切り離されたものは、例えば身長であるとか体重であるとかの数値化されたものに過ぎず、大した意味を持たない。

それを痩せているとか、太っている、あるいはノッポだのチビだのということばになれば、これは「ものがたり」として語られるものとなる。

その人が持つ属性を、大きなもので言えば国家や民族・宗教、小さなもので言えば出身地や家族構成、その人の特技など。

もちろん、それだけに終わらない、信条や道徳観などや趣味だの大切にしているものだの、そういったおよそ人間的といわれるあらゆるものを包含して、「ものがたり」は作られる。
そういった「ものがたり」なしに人は自身を説明できないし、証明も出来ない。

説明やら証明やら何だかそんなものなくても生きていけるという方もいるだろうが、積極的に毎日誰かに説明したり、証明したりという意味ではない。

あなたは誰ですかといった時に、何ら説明できないとしたら、どうします?
好きな女の人が出来たり、付き合いたいと思う男性が現れたときに、自分を説明できないとしたら・・・


わたくしにはこの「ものがたり」のウソや綻(ほころ)びが見える。

なぜか?
それは自閉的傾向によって、周囲の人々とは異なった世界観を持たざるを得なったことが発端である。
そうして、自分はどうして他者との間に深い溝のようなものだ生じてしまうのか、散々考えた。
自分はどこから来たのか、そういうことを考えている時に、ひょっとしたら人類は自分たちの不安の解消のために「ものがたり」をでっち上げたのではないかと。

そうやって考えていくと、人の作った「ものがたり」には実に多くの綻びがあるとわかってきた。
そして、「ものがたり」を互いに共有化できないと人は実に不安になる。
そうして共有化できるものたちと手を取り合って生きようとする。

それだけならまだいいのだが、そこから先が実に怖い。
共有化できないものを「敵」とみなして、仲間の結束を証明するかのように「敵」に対してそれを排他しようとする。

時に差別したり、いじめたり、あるいはまた抹殺する。

歴史上の大虐殺は、そういった民族的なアイデンティティの証として、他民族を抹殺しようとして行われたものである。

だから、民族としての誇りというコトバを耳にすると、わたくしは恐ろしくなる。
その裏側に潜む他民族に対する排他性を、歴史は証明しているからである。

そうして、「ものがたり」が持つ悲しい属性を知ってしまったわたくしには、「ものがたり」によって自身をさらに規定したり、「ものがたり」によって結ばれたりすることに相当な拒絶反応が生まれるのである。

そうした背景が見えずに、重ねられた事実を「ものがたり」によって再構築され、それに振り回されて、自爆テロだの民族の誇りのための聖戦だのと称して、挙句の果てには血みどろの醜い復讐劇に終始してしまっている、哀れな人々のことを思うと、「ものがたり」の綻びをしっかり見定めるまなざしを持って欲しいと切に願う。

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