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詰将棋作家の見た世界
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首猛夫
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男性
職業:
怪しい金融業
趣味:
詰将棋創作 音楽演奏
自己紹介:
昭和31年9月、東京生まれ。
詰将棋作家集団「般若一族」の生き残り。
詰将棋創作以外に、作曲(約100曲くらい)音楽演奏(ベース)。
人間についても、自閉的観点からいろいろ考えている。
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★2008/04/17 (Thu)

今回、世の中を騒がせている後期高齢者医療制度に関しての報道に触れるときにいつも感じていることがある。

それは「わたくしたち年寄りをいじめて・・・」とか「弱いものいじめだ !」とかの嘆きが実に多いことだ。
「これじゃ私ら年寄りに死ねっていっているようなもの」とは極め付けだが、確かに、生活が苦しい上に、貰える年金が少なくなれば、そうも思いたくなる。

しかし、この構図を

『愚かな政治家・非道な官僚』  対  『年金生活の老人』

と言う図式にしないで、

『立派な政治家・官僚の先生方』 対 『弱者』

と言う図式にしたがるのは、何か意図があるからだろう。

とかく、日本人は被害者意識が強い。
第2次世界大戦で、負け戦となった日本は、数々の非業の最後を遂げた話が山のように出てくる。
しかし、真珠湾から始まって、当初の一年間は、勇猛果敢で、アジアの解放のために西欧の列強を追い出すんだと本気で思っていたふしがある。

そのくせに、負け戦となったとたんに、被害者意識丸出しの悲話になる。

韓国をはじめ、アジアの諸国が未だに日本の反省が足りないと怒るのも無理はない。
日本人の多くは、自身の加害事実よりも、悲話が大好きだ。
悪いのは、時代だ、巡り会わせだ、くらいに本気で思いたいのか、誰が見たって、反省しているとはとても思えない。

どうやら、これは日本的な自我の獲得法に、特殊な背景が潜んでいるからに違いない。
日本的な自我は、もともと西欧からの輸入に始まった。
それまでは、アジア的生産様式といわれる、言ってみれば大きな村が小さな村を統括する図式で、社会が構成され、その構成のために自我が作られたと言ってよい。

いわゆる、階級が二強分化するような西欧のそれとは大きく異なり、共同体が一つの単位だった。

それを、西欧に追いつけ追い越せと躍起になってあらゆる物を輸入し、頑張ってきたものだから、自我までも輸入してしまった。
強さも決断力も必要なかった男は家父長制度の中でそれを求められ、苦しい立場に追い込まれる。
その反動が母親の愛という形に、形成される。

日本型の、年金と言う考え、終身雇用という制度、退職金と言う形、みんな母性型の行政と言える。
これらは、「強い男」に対する反動形成である。
もし「強い男」と言う図式が優先するなら、そのような年金・終身雇用・退職金は考えられなかったはずである。

わかりやすく言えば、

やわい男に少しの間「強い男」を演じてくれ、その代わりに、いろいろ面倒見てやるから

と言うようなことだろう。

日本軍は世界一弱い軍隊だった。
なぜなら彼らは昨日まで畑を耕していた農民に過ぎなかった。
幼い頃から訓練され、戦術や殺人を学習してきた、西欧人とは格段の差がある。
そうやって、弱い軍隊を敵と闘わせるために、日本軍は軍人を取り締まる部隊を作らねばならなくなったほどだ。

そうして、何の根拠もなく「日本男子」は強くあれと言われ、その反動形成として非常に「女々しい」内部を持つに到ったと言える。
そして同じように何の根拠もなく「日本女子」にしとやかさを強要した。

こうして、時代の劣等感(西欧人を意識しすぎて)に振り回され、強くもないのに強さを求められ、しとやかさなど教育も受けたことがないのに、しとやかであれと言われ、その反動で、被害者や弱者が好きになってしまった。

哀れな日本人、おかげで世界から自省心のない民族と思われ、自分たちで立ち上がれなくなった・・・・

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