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詰将棋作家集団「般若一族」の生き残り。
詰将棋創作以外に、作曲(約100曲くらい)音楽演奏(ベース)。
人間についても、自閉的観点からいろいろ考えている。
しつこい人は概して嫌われる傾向にある。
粘着気質は、しつこいだのねばねばして気色悪いだの、あまりよくない気質として扱われるようだ。
ところが、迷宮入りの事件を解決する粘り、新たな医療・薬品を開発する根気、等々すばらしいことの裏にはこの粘着気質が重要な役割を果たす。
一般に、自分にとって都合の悪いことや触れられたくないようなことを、いつまでもいい続けるようなことを指して「しつこい」と言うのであろう。
ここで一つの疑問がある。
それはある夫婦の問題である。
「夫がしつこい性格で困る」
「話が始まると、わたくしが『うん』と言うまでしつこく話をやめない」
妻からのコトバである。
そこでわたくしは、ふと
「どうして『うん』と言わないの?」
とたずねたら、
「どうしても違うと思ったから、あたしって頑固なのよね」
え?頑固?
それって、中々認めようとしないでかたくなに否定している姿?
だったら、しつこさで負けてないじゃない・・・・
そう賢明な人ならすぐにお分かりだろうが、
しつこいと言う事柄が現実に出現するには、そのしつこさを表す人に、しつこさを出させなければならない。
つまり、しつこい人と、そうでない人がいた場合、しつこい人はそのしつこさを表現できない。
なぜなら、しつこくない人があっさりいろいろと認めるか、もし認められない場合は、それを簡潔に表現して終わりだからである。
相手もこちらもしつこいから、いつまでも対立や議論が終わらず、終わらない有様が出て初めてしつこいと言うことがわかるのである。
ここで、わたくしがえらいと思ったのは、この妻の態度である。
そういうことを伝えると、普通、
「わたくしは、しつこくなんかない!」
と激怒したり、膨れたりするものだが、笑いながら、
「いいことを聞いたわ、まさに目から鱗だわ」
と言ってのけた。
さすがである、立派である。
人はすべからずこうでなくてはならない。
人は、素直さが大事であるが、こういう時に素直になれる人はそういない。
感心したしだい。
同じようにケチの発見もある。
みんなが気前がよく、ケチな人がいない集団に、ケチはいない。
え?当たり前だって?
ところが、あの人ケチなのよねといわれる人が存在するためには、ケチな行為をしなければ成らない。
そのケチな行為は、同じようにお金を捻出するように要求する人の周囲の人々がいないと、証明できない。
周囲が、そのようなお金の捻出を要求しない人たちばかりだと、ケチを出す暇がない。
まあ、多少デフォルメされた部分や強調された部分がある話だが、大意は読み取ってもらえると思う。
最後に、一本木で頑固なイメージと、粘着気質でねばねばしつこいイメージとは重ならないのだろうか?
これが不思議でしょうがない。
両者には差がない。
一つのことにこだわって、そこから中々抜け出せない、抜け出さないイメージは両者に共通しているもの。
どうも、同じことなのに片方にはそれを悪く言う意図がこめられ、もう片方には賞賛する意図が見え隠れしている。
きっとそれは、そのような言いかえが必要な自体があるから生じたものだろう。
そしてそれはわたくしが最も苦手とする《お世辞》が闊歩する場面ではないかと密かに思っている。