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詰将棋作家の見た世界
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HN:
首猛夫
性別:
男性
職業:
怪しい金融業
趣味:
詰将棋創作 音楽演奏
自己紹介:
昭和31年9月、東京生まれ。
詰将棋作家集団「般若一族」の生き残り。
詰将棋創作以外に、作曲(約100曲くらい)音楽演奏(ベース)。
人間についても、自閉的観点からいろいろ考えている。
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★2008/05/20 (Tue)
少しずつではあるが、復調の兆しが出てきた。
やはり痛みや、苦しさは少しも変わらないが、わずかではあるが「生きる希望」の明かりが遠くにぼんやりと光るようになってきた。

そして何より大切なことは、「記録」である。
いくら嘆いたり、苦しいと声を上げても、何も解決しない。
この痛みからの解放については、唯一その量とタイミングしかない。
だったら、几帳面にすべてを記録して、変化を求めるのならそこしかない。

今回のわたくしの失敗は、

痛み→麻薬→便秘→下剤の使用→※(効果なく)イレウス一歩手前→腸へのダメージ→腸が痛い→麻薬

・・・という悪循環。

※⇒下剤の使用が効果なくイレウス(閉塞)一歩手前というのが主因。
しかし、ここで量を多く使いすぎると、今度は下痢がひどくなって、それはそれでまた難儀なことである。


すると、その下剤の量とタイミング、それをどのように改善するかは、今までの記録が命である。

そして、痛みが強くなれば、麻薬も増え、当然便秘薬も増量する。
その増量と、タイミングをどこに求め、量をどうするのかが最善か?
それを考え計画し、実行し、対策を練る。

それらについても記録が大切だ。

記録をとるには、辛い時にも冷静になり、次回からのために行動するそういう姿勢が求められる。
こうなると精神性の問題かもしれない。

あわてず騒がず、少しずつ・・・。


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★2008/05/19 (Mon)
腸が、やられた。
閉塞だの便秘だの、結局は腸がやられたのである。

そこで、まず浣腸した。
そして次に、ここ一週間絶食+高カロリー点滴で対応。

要するに、腸に負担を掛けずにしばらく行こうじゃないかということだ。
それでも、浣腸後であっても便やガスは残っていて、今もお腹が張って苦しい。

ここ数週間、何らかの苦しさを抱えていて、生きるのが本当に大変なことになっている。
一日も早く、ストレスのない日常生活を取り戻して楽しく生きたい。
★2008/05/18 (Sun)
次から次へとやってくる災厄。
こんどは、腸閉塞だ。

朝起きたら(=といってもほとんど眠れずに徹夜に近かった。)異常にお腹が痛い。
生まれてからこの方、こんなに痛いのは初めてだった。
あまりの痛さに、腹部が千度近い焼きゴテか何かで焼かれたような思いだった。

主治医に電話して尋ねたら、おそらく、腸の収縮が痛みの主因だろうとのこと。
それなら、腸の収縮運動を止めれば楽になる。
そこで、ブスコパンを処方してもらえるところを探して、それまでの軽い経緯を話して、薬を貰ってきたらとのことだった。

そこで、日曜日でもやっている近くのクリニックに行くことにした。

そして、そこの医師は薬は出せないというのである。
最初は?と思っていたが、良く聴けば

腸が痛い→収縮が原因→だから一時的に止める

という道のりは危険だというのだ。

後で考えれば、分かるのだが、その時は、困惑するばかり。

つまり、便秘気味だったわたくしは、腸が閉塞、つまり詰まってしまう恐れがある。
閉塞はコワイ。
そうなっては、入院とか、いろいろと大変なことになる。

だから、便秘を解き、キチンと排便をすることを条件に、腸の異常な収縮を止めるべきだというのだ。
言われてみれば、その通り。
主治医の見落としというか、そこまでの情報量をわたくしから結果的に得られなかったことが、原因。
危なかった。

このように、原因と対策が交錯していることが多々あるので、注意しなければならない。
確かに痛みを取ることはガン対策にとって非常に有効で、わたくしもそれでずいぶん助かっている。

しかし、閉塞となってしまっては主客転倒。
医師に自分の状態を正確に伝えることのむずかしさ、そして、医師のほうも患者の言っていることの事実だけではなく、言わなかった方の事実も推測するくらいの心構えがないと、大変だ。

しかし、朝からまだ便通がない・・・・・
★2008/05/17 (Sat)
毎日、毎日、苦しい状態が続いている。
この苦しさは、がん患者特有のものなのだろうか?
脂汗が吹き出て、「違和感」が身体を吹き抜けてゆく。
その恐ろしい風が、ぼくの体を吹き抜けるのをじっと耐える。
そこで負けてはならない。
嵐のような、渦を巻いてやってくる「違和感」の風。

この「違和感」というのは説明が難しい。
ガン性疼痛を防ぐ、麻薬。
いまは、オキソコンチンの錠剤、オプソの水溶液、デュロテップパッチの貼り薬。
これがぼくの人間性を保ってくれるギリギリの薬剤たちだ。

ぼくはこれを愛する。
ぼくが、唯一ぼく自身を取り戻せる魔法の薬剤。

そして、このぼく自身をぼく自身であり続けさせてくれるこの薬がもたらす「違和感」。
この薬剤は、食欲の不振、便秘、意識障害、吐き気、排尿障害・・・をもたらす。
そしてそのもたらされた幾多の副作用は、自分が自分に重ならない「違和感」をもたらす。

ぼくはこれを憎む。
ぼくが、唯一ぼくが地震を失わさせる悪魔の薬剤。

麻薬との付き合いは今始まったばかりだ。
★2008/05/16 (Fri)
こうした辛い日々が、毎日続いている。

出口のない辛い毎日。
しかし、今日という今日は強い意志で乗り切った。

まず、脂汗が出たので、身体を拭く。
気持ち悪くて食べられそうもなかったが、何とか食べるよう頑張った。
そして、仕事。
最初はとても考えられなかったが、これが出来なければ、わたくしの日常生活は帰ってこない。

これも、必死の形相で歯を食いしばって頑張った。
焼けのヤンパチ、道理が引っ込む。
理屈じゃない。
もうこうなると気合しかない。

ぞして、勝った。
わたくしはとりあえず今日一日は勝った。
また明日だ。

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★ ILLUSTRATION BY nyao