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詰将棋作家の見た世界
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首猛夫
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職業:
怪しい金融業
趣味:
詰将棋創作 音楽演奏
自己紹介:
昭和31年9月、東京生まれ。
詰将棋作家集団「般若一族」の生き残り。
詰将棋創作以外に、作曲(約100曲くらい)音楽演奏(ベース)。
人間についても、自閉的観点からいろいろ考えている。
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★2007/07/22 (Sun)


まずは、山田修司氏の作品から。
上の図は、まさに当時の新構想、四桂連合の飛び出す傑作。
(本作はそれだけでもすばらしいのに、後半四桂の詰上りになる)

上の図から87銀打、同と、同銀、88玉、97角、同玉、96金、87玉、17飛
と進んで、途中図。



この飛の王手に対して、例えば57桂と応じると、

86馬、98玉、97馬、89玉、19飛、69銀、同飛、同桂成、78銀まで

途中の銀合は金でも飛でも角でも詰んでいる。
19飛と9段目に飛を引く手に対して、常に取れる状態が必要。
そう、桂を飛車にくっつけて打つ四連続桂合になる。

これは、まさにオーロラと同じ原理。
もちろん、オーロラよりこちらが先だから、真の新構想は山田修司氏のものだ。
上田氏はこの同じ構想を角で表現したもの。
両者ともに、その連続合駒を主眼においてはいるが、山田氏はその後の四桂詰、
上田氏は角の連結と収束がすばらしい。

さて、オーロラと添川作品(角の限定遠打)の関係と同じことが、この山田作品と
次の若島作品との関係にも現れている。
否、こちらが先だった・・・・。



上の図は、若島正作品。
作意は97飛、37歩合、同馬、17玉、38馬、57歩合、同飛、37角合以下
31手詰みだが、なぜ初手97飛なのだろうか?

次の図をご覧あれ



初手、87飛としたらどうなるのか?
以下作意同様、37歩合、同馬、17玉、38馬のとき、
77桂合とされ、28銀、18玉、27馬、29玉、に89飛が出来ない。
(同桂成と取られてしまう)
もしこれが67桂とかの中合であれば、今の順で、89飛に合駒が
必要となるので、詰んでしまう。
87飛に対しては77桂~47桂までの四桂連合で詰まないようになっている。

だから、桂を5枚必要となる初手97飛が正解となる。

作意は57歩合~37角合という展開となる。

この飛に桂をくっつけて対応するところが山田修司作品と表裏をなす。
添川作品が角を遠打で表現したところを、若島作品は遠振りで表現したところが違っている。

時間的系列は逆で、若島作品を見て、添川氏はヒントになったらしい。

しかし、時系列でこの\四作品を並べると

山田修司氏⇒1963/11
上田吉一氏⇒1973/5
若島正  氏⇒1979/12
添川公司氏⇒1980/3

となって、山田修司氏からが長い。

そう考えると、案外既存の斬新な構想作品も、良く研究すれば
その裏の作品が存在するとは思わないだろうか?
あなたも探してみたら?

ちなみに山田修司氏の作品は近代将棋昭和38年11月号に掲載され
第22期塚田賞を受賞。
その後、名著「夢の華」に収録され「新四桂詰」と命名された。(第42番)
<このころ、山田氏は5期連続!で塚田賞を受賞している>

また若島正作品は、昭和54年12月号近代将棋に掲載され、こちらも
第54期塚田賞を受賞している。

最後に、若島正作品はその後改良され下のような図になっている。
この経過については金子義隆氏の「ふしんなページ」の名局鑑賞に
詳しく載っている。

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